鳥取県の大山(だいせん)は 別名・伯耆大山(ほおきだいせん) 伯耆富士とも呼びます。鳥取県の中西部は かつて「伯耆の国」と呼ばれた時代もありました。大山(だいせん)は大山(おおやま)と混同されることがある。 ここで伯耆大山とするのは ルビの混同を避ける意味合いもあるわけです。その昔 9世紀(平安時代)には 伯耆国大山ともよばれていたらしい。昔は 大神山(おおがみやま)とも呼ばれ山岳信仰の霊場でもありました。開山は古く 養老年間までさかのぼります。大山は 数百万年前の火山で出来た独立峰。外輪山は 船上山まで延びている。特徴として 火山砕石の風化が進み崩落が激しい。1980年代に入り稜線の崩落で縦走登山が困難となりました。。一方 山頂からの眺望が良いことから人気ある山として知られます。
峰の名称は 山岳信仰に由来する箇所が多い。。山頂のある弥山・三鈷峰や行者谷などはその代表。大山寺周辺では 寂静山や宝珠山。僧侶の名・豪円山などがある。。
登山基地となる大山寺には 天台宗・大山寺や大神山神社(奥の院)がある。ちなみに大山の最高地点(国土地理院)は「剣ガ峰」1729m。山頂登山は「弥山」1709mをさす。
季節の登山と四季の特徴。。
春は 3月の雪解けから始まり 3月下旬には スキ−場も終る。登山では残雪期に入りますが 3月中旬頃まで雪の降ることもあり冬山の装備で登山することになる。夏山登山道では六合目から上はまだ冬の景色です。。この時期は凍結でスリップしやすい時期なので要注意。天気の良い日などは 六合目から見た北壁は絶景が楽しめる。晴天だと登山者も多く足跡をたどって山頂まで上れるが足元はアイゼンも必要。特に下りの八合目付近は要注意。スリップで身体が横に寝てしまうと止める手立てがありません。。
元谷あたりでは 早朝など雪面も硬く氷化してどこでも歩ける時間帯もある。。
宝珠尾根では 雪溶けとともに雪面は不安定になる。夏とは別のル−トを取ることもあり 慎重を要する。。特に上宝珠周辺は雪崩の注意もいる。。
4月以降は天候しだいで登山は快適な季節を迎えます。。4月中旬を過ぎると山頂付近も芽生えが始まり 下旬には一足早くダイセンヒョウタンボクの花が咲く頃となる。
5月以降新緑の季節。大山でサンカヨウの花が咲くのは 5月中旬頃です。サンカヨウはユ−トピア周辺のガレ場でも見れますが 大群落は鳥越峠周辺がビュ−ポイント。5/20前後が写真や観賞のねらい目でしょう。。
ブナの新緑は 葉の広がる頃の透明感がねらい目の一つ。。葉っぱが小さいので広がりの時期を見届けて撮るとGOOD。。5/中旬には ダイセンミツバツツジも開花する。。花数の多い大株がねらい目。花だけのUPでは少しさみしい感じとなる。ブナは自分のポイントを作るとおもしろい。樹木も人間と同じで人相ならぬ樹相がある。。お気に入りの樹相に当たると恋人を探し当てたようなもの。。ポイントは丹念に撮り続けて見る。。。。
5月下旬ともなると、湿気のある木谷のブナ林などで風のない日は ブユの発生も多い。虫除け対策(小型のスプレ−・手袋)も必要。。
6月に入るといよいよ夏の季節です。。6月上旬までは ブナの緑も落ち着いてきて重厚な感じになってきます。。モスグリ−ンは撮るのに難しい素材だが光を上手にコントロ−ルするとおもしろくなる。。登山道では山野草も咲き野草登山も可能。。この時期は梅雨がいろいろと影響してくる。。まず雨の準備。登山や写真も天気で決まりますので難しさも出てくる。
夏山の午後は 雷雨も多い。。そこで最小限の雨具が必要。。一番手軽な雨具としてポンチュがある。。夏場はこれ一枚でも足りますが 他に薄手のオバ−ズボンと 念のためにウインドブレ−カがあれば十分。。
夏の大山で特徴的なものとして雲海がある。。周辺の山々は島に見立てるが 大山をとりまく山は 高くて烏ガ山くらいですから一面雲海だけになることがある。。
雲海を上手にあしらうと雰囲気のある写真も可能です。。雲海だけだと単調になる。写真集を参考にしてみて下さい。。デジカメはレンズの角度や光の角度で色調が変化するのでそのつどビュ−確認がいる。。空を入れる景色はデジカメの場合大変に難しい(逆光の空や雲はフィルムが有利)。山の上では 二度目はありません。梅雨明けとともに7月下旬は お花畑の季節です。ポイントを決めておくと撮りやすく行きやすく見やすくなります。。
山はお盆を過ぎると秋の気配。。9月は一段落して少し休息も必要な時期。。写真や登山具の整理や整備にあてるとよい。。デジカメのセンサ−点検も暇のあるこの時期に。
本格的な秋は 10月中旬から。。大山では 10/10過ぎからユ−トピア周辺は紅葉が始まります。。弥山山頂では草紅葉が始まります。どこを撮るにしてもポイントを絞る必要がある。。天気を見ながらプランをたてましょう。。ポイントは大きく絞ると鳥越峠・三鈷峰・弥山山頂・元谷と南側の沢筋になります。。11月上旬に入ると大山寺周辺もねらい目の一つ。。
大山の紅葉は 日当たりの良い南大山から大山寺に向けて移ります。。一週間単位で紅葉が上から下りてきますので目安にもなる。。
秋の特徴は チャンスの期間が短いことです。。欲張ると失敗の元です。手際よく行動する季節。。晩秋などは一荒れで終わることもたびたびです。。ガスや小雨の紅葉もねらい目です。。写真集(煙る樹林)を参考にしてみてください。。
紅葉は11月中旬には終わりに冬に向かう。。大山の本格的な冬は12月中旬以降。11月は条件にもよるが稜線の霧氷もねらい目の一つ(写真集参考)。。初雪などのうっすらとした雪景色も悪くはないがコントラストが強く表情が出しにくい。12月中・下旬の降雪を狙うとエッジの効いた写真も可能(写真集参考・表紙)。。
冬の雪景色は 弥山山頂がビュ−ポイントの一つ。。ガスの切れ間の稜線は見逃せない。。宝珠尾根から見る北壁は逆光でしかもキャッチライトが少ない季節(写真集参考・北壁黎明)。太陽が東に移動しかつ冬ギリギリの2月中・下旬まで待つことになる。。冬の山頂や北壁の写真は 天気や太陽の動きを読むのが決め手。。外すと次年まで持ち越しに。。宝珠尾根だと2月中・下の晴天がねらい目。雪のブナ林は 4・5合目周辺がベストポイント(写真集参考・樹林雪景)。
雪の宝珠尾根は魅力的で何度となくトライしてきた。 このコ−スは雪崩の危険もあるので状況判断が難しい。。ポイントとしてはおもしろいが危険もある場所。。特に中宝珠手前で冬場は大きな雪庇(せっぴ)が張り出す場所もある。
昔のことだが参考までに。足元で雪庇が切れると「スパッ−」と鋭利な刃物の音がする。。安全か否かは意外と足元にある。。
大山の撮影で冬は欠かせません。天気の良い日は少なく難しい一面もあります。大山の本格的な冬は12月中旬以降。11月は条件にもよるが稜線の霧氷もねらい目の一つ(写真集参考)。。初雪などのうっすらとした雪景色も悪くはないがコントラストが強く表情が出しにくい。12月中・下旬の降雪を狙うとエッジの効いた写真も可能(写真集参考・表紙)。
冬の雪景色は 弥山山頂がビュ−ポイントの一つ。。ガスの切れ間の稜線は見逃せない。。宝珠尾根から見る北壁は逆光でしかもキャッチライトが少ない季節(写真集参考・北壁黎明)。太陽が東に移動しかつ冬ギリギリの2月中・下旬まで待つことになる。。冬の山頂や北壁の写真は 天気や太陽の動きを読むのが決め手。。外すと次年まで持ち越しに。。冬の山頂付近は晴れることはまれで写真のチャンスは限定される。宝珠尾根だと2月中・下の晴天がねらい目。雪のブナ林はポイントが限定される。
4・5合目周辺がベストポイント(写真集参考・樹林雪景)。
冬は寒さや降雪で事故も起きやすい。雪の宝珠尾根は魅力的だが雪崩やセッピの危険もあるので状況判断が難しい。